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第9回 転職に関わるアンケート『日経100Q』

第9回 転職に関わるアンケート『日経100Q』
「転職35歳限界説」を打ち破る40代の希望者が増加
8割超が「転職許容回数は3回まで」と回答

8月下旬、日経キャリアNET会員の皆様に実施したアンケート結果をご紹介します。8月の有効求人倍率はバブル期並みの1.10倍。一方、新規求人数は前年同月比0.6%減と4年半ぶりに減少に転じ、ここ数年上昇一方だった転職市場にもやや変化が起きているようです。そんな環境の中、転職希望者は何を考え、どう行動しようとしているのでしょうか。 今回は選考、転職回数、転職に要した期間なども伺いました。求人情報の収集ではスマートフォンも活用されているようです。皆様の転職活動の参考にしてください。
編集部

新天地を求めて「35歳限界説」を打破する40代の希望者増加〜情報を確認する手段はパソコンをしのぐ勢いでスマートフォンが台頭〜

 総務省が発表している労働力調査によると、ここ数年は約290万人で推移する転職者数。2013年度の転職者数は286万人(うち男性、女性とも143万人)で、就業者数の4・5%を占めます。年齢階級別に見ると25〜34歳が最も多く、男性が39万人、女性が38人。次いで35〜44歳は男性が28万人、女性が36万人。45〜54歳は男性が40万人、女性が17万人。


 景気回復の期待感に人手不足も相まって転職市場が活況を帯びつつあるなか、今回のアンケートに回答した登録者の性別および年齢の割合は下記のようになりました(図参照)。

回答者比率(男女別) 回答者比率(年齢別)

 性別は男性の71.8%に対し、女性は28.2%。年齢は40〜44歳と45〜49歳が同じ割合で24.3%、次いで35〜39歳が18.8%、30〜34歳が17.3%。企業の中核を担う世代からの回答が多く、40代以降の転職への関心が高まっていることがうかがえます。


 大企業の管理職クラスともなると経営に参画する力や幅広い人脈などを買われ、同じ業界や業種である中堅・中小企業に迎え入れられるケースがまだまだ目立ちますが、採用する企業側も経験や専門性を重視し、業種や業界を超えて触手を伸ばすようになっています。競争が激化して市場の動きが活発になり、従来の成功モデルでは未来を描けなくなり始め、人材の育成に時間とコストがかけられないとあっては、即戦力を求めていくのが必然の流れでもあります。これまで転職の限界ともいわれていた35歳という年齢。40代以降に着実に移行しつつある転職市場を如実に反映しているともいえます。


 40代以降が半数近くを占めるなか、求人情報を確認する手段はスマートフォン(スマホ)という回答が45.1%となりました。私用のノート型パソコンが51.5%、私用のデスクトップ型パソコンが27.7%(複数回答可)。確認するタイミングは帰宅後が57.4%、休日が44.4%(複数回答可)というだけに、自宅でゆっくりできそうな時間でもスマホの使用頻度が高く、40代以降でもスマホが必需品となっている現状が浮かび上がっています。

社会人になっても正直な感想は「試験やテストがなくてほっとした……」〜市販の対策本や新聞の報道を参考に準備して臨んだ人は自信のある声多く〜

 漢字や算数に始まり、中間に期末、学力、センター、入学、就職――。生徒や学生のころは嫌がおうにも一年を通して定期的に行われ、節目には明暗を分けるほどの結果を伴う試験やテスト。頭を悩まし、準備や対策に追われたにも関わらず、思い通りの結果が得られずにくやしい思いをした記憶がよみがえってくる人は数多くいるはずです。


 社会人になれば、一般的には資格取得でも目指さない限り、試験やテストに頭を悩ますことはないように見えますが、転職を考えるとそうもいきません。新卒採用では書類選考のほかSPIや筆記試験を実施して、面接に臨む学生をふるいにかける企業がほとんどですが、経験やスキルを重視する印象が強い中途採用でも、面接に臨む前段階でSPIや筆記試験を課す企業が少なくないのが実情です(図参照)。

回答テストの種類

 筆記試験があった人で内容について新卒採用より中途採用の筆記試験のほうが難しかったと感じた人は27.4%。主な回答は「久しぶりの試験でちょっと緊張したから」(50.0%)、「初めて見るタイプの問題があった」(27.8%)、「試験があることを想定していなかった」(13.0%)と続きます。個別には「専門的な知識を問うものだ った」「計算問題が多かった」という回答もありました。


 難しくなかったと感じた人は47.7%と半数近くを占め、主な回答に「日ごろから培った知識で十分に答えられる難易度だった」(59.5%)を挙げました。次点は「試験があることを想定して準備をしていた」(24.5%)で、市販の対策本を購入したり、日ごろから新聞などに目を通して時事ネタに注意を払っていたりして試験に備えたという人が多くいました。「どのようなタイプの試験であっても自信があった」(9.6%)とする自信がみなぎる回答も見られました。外国語の試験があったという回答は22.3%。


 筆記試験がなかった人は試験がないと聞いたときの感想を「ほっとした」(54.7%)と挙げ、半数以上を占めました。次点は「ちょっと拍子抜けした」(17.1%)。「中途採用で筆記試験を実施しない理由をどのように考えますか」という問いには「中途採用は知識以上に経験やスキルを重視している」(54.4%)、「中途採用に応募する人材は必要最低限の知識を身に付けている」(21.7%)を挙げ、合わせて75%以上。中途採用に筆記試験がなかったと回答した人が60%以上になった数字は、中途採用は経験やスキルを重視と捉える一般的な印象と相関関係が垣間見えます。


 試験やテストがある度に一喜一憂してきた過去を振り返り、日ごろの知識で十分に対応できると自信を見せる反面、なくてよかったという感想がもれてきたのは、きっと多くの人の正直な気持ちを代弁しているのでしょう。


 関連して「試験や面接の準備、対策をもっと入念にしておけば、選考結果が違ったかもしれないと感じますか」という問いに対し「はい」の回答が46.5%(「いいえ」は36.6%)。具体的に準備や対策として「自己PRのポイントなど面接の対策」(73.0%)が最も多い回答となり、試験やテストを通過しても面接の応対の難しさが立ちはだかる結果となりました。

転職のきっかけは前向きな姿勢目立ち、入社までに要する期間も短縮化へ〜採用を急ぐ中堅中小企業やベンチャー企業は経営者自ら面接し即決するケースも〜


 転職の理由は人それぞれ。転職を希望しても受け入れてくれる企業がなければ成立しません。さらに高みを目指そうとするならば、なおさらです。否定的な理由よりも肯定的な理由が目立ったのは景況感が上向きつつあり、企業が中途採用の門戸を広げ始めている現状を鑑みて、新たな環境に踏み出そうとする一面が見て取れます(図参照)。

転職理由

 転職のきっかけの主な回答は「経験や能力をより一層、生かせる環境を求めて」(56.5%)、「新たな経験や能力を身に付けるため」(47.7%)、「年収アップを期待して」(46.8%)と続きました(複数回答可)。否定的と取れる理由として最も多かった回答は「自分の考えと会社の方針にズレがあったから」(32.3%)で、次に多かった「上司や同僚など人間関係に悩みを抱えていた」(18.3%)を引き離します。新入社員は3年以内にやめていくという事実が取り沙汰されたときもありますが、経験を積むにつれて耐性が高くなり、人間関係以上に自らの成長を優先するようになる典型的な事例でしょう。


 置かれている職場の環境に全く不満がないという人は少数派になるかもしれませんが、前向きな姿勢の人材を期待の新戦力として迎え入れる企業にとってはミスマッチになる可能性は低く、プラス要素をもたらす可能性が高くなるのは間違いありません。

転職活動期間

 転職に要する時間も「3カ月以上6カ月未満」が34.4%、「3カ月未満」が21.2%と、6カ月未満で中途入社するケースが半数を超えるなどスピード化が確実に進んでいるようです。経験やスキルの高い人材は、どこの業界でも引く手あまたで内定を勝ち取るのが早いのはいうまでもなく、企業も通年採用は別として採用に時間と手間をかけられないのが本音であり、いい人材に出会ったら即決ということも珍しくありません。現に、現職もしくは前職の企業に応募したときに面接が何回実施されたかの問いに対し、2番目に多かった「1回」(30.7%、最多は「2回」の45.0%)と回答したなかで面接の陣容が「社長単独」というケースが19.9%と、「人事部長を含む1〜2人」(26.1%)に続きます。


 経営者が面接に応じることがあっても最終面接のみというのは、もはや大企業など規模の大きい企業に絞られます。いい人材を誰よりも早く採用したいと急ぐ中堅・中小企業やベンチャー企業では特に、経営者自ら面接の最前線に乗り出すケースが当たり前となりつつあるだけに、一期一会が採用に直結する可能性は十分にあるといえます。

「転職回数は3回まで」は思い込みか。不思議と足並そろう「3」という数字〜家族がいれば転職は人生の分岐点になりかねない。そのときどう動くのか〜

 いざ転職を決意して職務経歴書を作成するとなったとき、転職回数が気になる人がいるかもしれません。社会人経験が3年の人と20年の人では同じ5回でもその意味合いは大きく違うはず……。そう思いたいところですが、実際に企業は中途採用で転職の回数を判断材料にしているのでしょうか。回数が多ければ多いほど誇れる要素となるわけではないため、自らが限度の回数をこのぐらいとめどを付けているのは確かでしょう(図参照)。

転職回数 回答

 転職の未経験者(転職を視野に入れているものの踏み切っていない、もしくは成就していない人を含む)に「転職を実行するとき、許容範囲の転職回数(過去に転職を何度経験しているか)があると思いますか」と聞いたところ、「はい」の回答が60.1%。その回数を「2回」とする回答が46.5%、「3回」が40.6%で、「1回」の4.0%を合わせると3回以内が90%を超えます。


 転職の経験者にも同様に問いを設けてあり、「はい」の回答が63.4%、その回数を「3回」とする回答が50.0%、「2回」が26.5%で、「1回」の3.0%を合わせると3回以内が約80%。どちらも3回以内が圧倒的な割合を占めますが、転職の経験者は4回以上を許容範囲とする人が20%を超えていきます。このあたりは自らの転職回数と照らし合わせている面もあるでしょう。


 転職を実行するときに自らの気持ちが大事なのはもちろんですが、そうは言っても家族がいるにもかかわらず、自分だけの人生と割り切って突き進むと大きな過ちにつながりかねません。政府が女性の管理職を推進しても、まだまだ男性が家計の大黒柱となっているケースが大半です。実際に、転職の未経験者もよく心得ていて「家族の有無(もしくは意見)は転職に踏み切るか否かを左右する、もしくは家族の意見を大事にしたいと思いますか」との問いに対し、「はい」が78.6%となりました。


 似たような問いを転職の経験者にもしています。「転職に当たって相談した人はいますか」に対し、「知人・友人」が僅差で36.5%と最も多く、「家族・配偶者」が36.1%でした(複数回答可)。質問の仕方にもよりますが、転職の経験者の相談相手に知人・友人が多かったのは、一度ならずとも転職を経験しているだけに自らのキャリアプランを、同朋やライバルから意見を聞きたいという思いが色濃く出ていると思われます。



<補足>
上記のほか、目立った回答として以下の要素も列記しておきます。

面接担当者がどのように採用、不採用を決定したか、明確な理由を教えてほしいと思いますか
 「はい」が69.8%。結果を教えてもらえる可能性はないと認めながら、本音は教えてほしいと願う気持ちは理解できます。人材紹介会社のコンサルタントなどを利用すると教えてもらえるケースがあります。

また機会があれば転職したいと思いますか
 「はい」が76.1%。「転職をしなければ良かったと思いますか」の問いに対し「全くない」が48.9%、「たまにある」が42.9%と不満は少ないように見受けられるだけに興味深い回答になっています。
※以上、転職経験者の声

理想をいえば大学などを卒業後に入社した会社で職務を全うしたい(全うするべき)と思いますか
 「はい」が20.2%、「いいえ」が41.1%、「どちらともいえない」が38.7%。
転職の二文字がちらつきながら踏み切れていない方、成就しない方にあと一歩の押しが足りないとすれば、もしかしたら転職へのわずかな迷いが見え隠れしているのかもしれません。
※以上、転職未経験者の声

所属部署や周りにいる中途入社の社員は社内で評価されていると(活躍している)と感じますか
 「はい」が42.9%、「いいえ」が18.7%、「どちらともいえない」が38.4%(転職経験者)。「はい」が48.8%、「いいえ」が9.5%、「どちらともいえない」が41.7%(未経験者)。はっきりと「はい」と回答した方が両方の立場で40%を超えたことは、実力が発揮されていると少なくとも周りの目には映っているといえ、後進の道が開ける要素にもつながるともいえます。
※以上、転職経験者・未経験者両方の声