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派遣社員で就業すると、正社員への転職は難しくなる?

派遣社員で就業すると、正社員への転職は難しくなる?

派遣社員で就業すると、正社員への転職は難しくなる?(転職希望者、28歳、研究職)

会社を退職して約2カ月、転職活動中です。前職では化学メーカーの研究職に従事した後、営業部に配属されました。しかし、どうしても技術職としてキャリアを積みたいという気持ちがあり、社内での異動も難しいことから退職して、転職を決意しました。

現在は、化学業界を中心に研究開発・分析・品質保証などの職種に応募していますが、なかなか書類選考が通りません。技術的スキルと職歴の両方でブランクが広がる不安があるため、ひとまず派遣で就業することも検討しています。

そこでお聞きしたいのですが、「一度、派遣で就業すると、正社員への転職は難しくなる」とか、「派遣の職歴があると書類選考が通りにくくなり、正社員志望での転職に不利になる」ということを聞いたのですが、そういうことは本当にあるのでしょうか?

雇用形態より離職期間に気をつけて。派遣社員後に転職することを目指すのであれば、自分の技術力向上がかなう企業での就業を

法律の改正やマーケットの変化に伴い、非正規の職員や従業員が労働力人口に占める割合は、年々増加傾向にあります。労働者の雇用を守るという観点から賛否両論はありますが、派遣社員として活躍している人も大勢います。「派遣としての職務経歴があると、正社員志望の転職に不利なのでは?」との質問ですが、転職希望者さんが気をつけなければならないのは、正社員・派遣社員などの雇用形態より離職期間です。一般的に、離職期間が3カ月以上になると、採用する側は慎重になります。仮に、企業の採用担当者が応募のあった職務経歴書だけをみて、現職が派遣社員でその経歴が記載されているAさんと、現在は無職で離職期間が3カ月以上あるBさんを比較した場合、書類選考段階では、Aさんのほうが有利になると思います。

その上で、派遣社員で就業したあとに転職を考えた場合、転職活動にどう影響するかについて考えてみましょう。例えば、大手日系企業に総合職として転職を目指すのであれば、前職が派遣社員だった人が採用される可能性は、非常に低くなります。特に古い体質の企業になると、そのような傾向が強くなります。しかし、転職希望者さんは専門職(研究職)を目指しているので、その点は心配ないでしょう。

また、派遣社員に対するイメージは、企業によって異なります。大量に派遣社員を採用し、その人たちに単純作業のみを依頼している企業では、派遣社員を単純な労働力としてしか認識していないケースがあります。そのような企業では、社外の派遣社員に対する評価も低くなりがちですので、書類選考の通過は難しくなります。

さらに、同じ派遣社員といってもさまざまな仕事があります。会社によって派遣社員に求めるものが違いますので、仕事を選ぶ際には慎重に行ってください。特に、技術職に就かれる方は、派遣期間にどのようなスキルを身につけることができるかが重要になります。仮に6カ月後に再度正社員としての仕事を考えているのであれば、6カ月分以上のスキルアップをしておかなければなりません。年齢が上がれば、それだけハードルが上がります。その点を踏まえて、自分の技術力向上がかなう企業での就業を目指してください。

最後に、すべての読者の方々に対するアドバイスです。転職希望者さんの場合は、すでに離職されてしまっているので後戻りはできませんが、転職先が決まる前に退職することはなるべく避けてください。会社都合での退職であれば、仕方がありませんが、自己退職による離職後の転職活動は非常に大変です。

より良い環境やより自分に適した職務を求めるために転職を決意したとしても、一度離職してしまうと転職活動の第一の目的が就業することに変わってしまうことが多くあります。特に、転職活動が数カ月におよぶ長期戦になると、「職務内容や希望条件、自分のキャリアを考えるよりも、とりあえず内定が出た会社で働こう」と妥協するようになります。その結果、転職先の条件や業務などに満足できず、転職回数が増えてしまうことになりかねないのです。現職を持ち、転職を考えている方は、そのあたりを念頭において活動してください。また、離職してしまっている方は、できるだけ離職期間が長くならないようにしてください。