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転職回数が多いために企業が敬遠

転職回数が多いために企業が敬遠

転職回数が多いために企業が敬遠(MARK X、37歳、事務・管理・企画職)

学校卒業後、約12年間メーカーの子会社に勤務しました。退職後は中小企業やベンチャー企業に数社勤務しましたが、社風や労働環境に恵まれず短期間で退職してしまい、そのことが現在の転職活動に不利な状況になっています。私としては労働環境さえよければ長期間勤めたいと思っています。今後の転職活動は、どうすればうまくいくのでしょうか?

転職回数が増えると、転職できる確率は下がっていきます。自分の体や気持ちと相談して、現職で頑張れるのであれば続けてみては?

MARK Xさんの質問に対して回答させていただく前に、こちらから1点質問します。MARK Xさんにとって良い社風もしくは良い労働環境とは、どのようなものですか? 「労働環境さえよければ長期間勤めたい」とのことですが、MARK Xさんにとっての良い環境、つまり仕事への価値観が明確でない限り、満足できる転職は難しいと思います。

誰でも自分の仕事に対する価値観を持っています。多くの人は今までの人生において培ってきたことがベースとなっており、それを急に変えることは非常に困難です。MARK Xさんの場合、新卒で入社した企業に12年間勤務したのですよね。私の推測ですがMARK Xさんの仕事に対する価値観は、1社目の企業で培った価値観が大きく反映されているのではないでしょうか。新卒で入社した頃のことを思い出してください。社会人として未経験なあなたに対して、上司や先輩から教えや指導があり、少しずつその会社や仕事の価値観を吸収していったのだと思います。

新入社員は知らず知らずのうちに、その企業の社風や労働環境を「常識」としてとらえるようになります。私が以前に転職相談を受けたAさんのことを話しましょう。Aさんが新卒で採用された企業では、定時が9時から17時であるにも関わらず、大半の社員が終電の時間まで仕事をしていました。社会人1年目からそれに慣れているAさんにとっては、それが「常識」となります。そして、その会社に10年以上勤務して転職をしたところ、転職先の会社では残業がほとんどありませんでした。周囲の人からすると残業が少なくなり、労働環境の良い会社に転職できたととらえることができますが、本人は本当に満足しているでしょうか。

Aさんにとっては、一緒に働く社員が怠けているように見えてしまう可能性があります。「こんなに働く意欲のない人たちと一緒にいて、今後自分は大丈夫なのだろうかと不安を感じた」と言います。それまでの習慣が大きく変わったとき、人が不安を感じるのは当たり前のことです。しかし、人は環境適応力という素晴らしい能力を備えているため、時間をかければ現状に適応するようになります。Aさんの場合も、1年もすれば残業がないことが「常識」になっていきました。

MARK Xさんは短期間で転職を繰り返し、現在、転職活動をしているようですが、今の会社で、もう少し様子をみてはいかがでしょうか。採用する側にとっては、転職を繰り返している人を採用するのは抵抗があります。「またすぐに辞めてしまうのではないか」と考えられる人を企業は採用しません。そう思われないためにも、今の職場でもう少し頑張ってみる価値はあります。

コンサルタントとして仕事をしていると、現職での経験が3年に満たない転職候補者を、就業期間が短いという理由で採用しない企業が非常に多いことが分かります。また、転職回数に制限を設けている企業も多く、転職回数と反比例する形で、採用の可能性がある企業数は減少していきます。MARK Xさんの場合、過去の転職回数を減らすことは不可能ですが、現職の就業期間については対処可能です。本当に自分に合わない企業に在籍し、無理をすると体調を崩してしまうこともあるので、肉体的、精神的に苦痛を感じるのであれば現職に執着する必要はありません。しかし、自分自身の許容範囲の中で、妥協できるレベルを探って、可能な限り今の職場で仕事を続けていったほうがいいと私は考えます。