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経済状況が悪い中で、「良い会社」への転職は可能ですか?

経済状況が悪い中で、「良い会社」への転職は可能ですか?

経済状況が悪い中で、「良い会社」への転職は可能ですか?(MS、28歳、営業職)

2003年に大学を卒業して、現在まで新卒で入社した専門商社で働いています。私が就職活動をしていたころは就職氷河期で、非常に苦労して今の会社に入社しました。入社当初から「30歳までには結果を残し、もっと『良い会社』に転職をしたい」と思い、必死に頑張ってきました。1年目から常に営業予算を達成し、同期の中でもトップの成績をキープしています。この会社でやり残すことはないと思い、転職をしたいと考えています。ですがこの市況下、キャリアアップを目指す「良い会社」への転職は可能なのでしょうか。

優秀な人材に対する需要はあります。しかし、転職という行為を目的とした転職活動はお勧めしません。転職する明確な目的はありますか?

キャラ画像03まず、現在の転職マーケットは、MSさんの考えの通り、大変冷え込んでいます。昨年来、内定取り消しや派遣切り、大規模なリストラなど雇用に関して、様々なメディアから悪いニュースばかりが流れてきます。現在の状況を昨年の同時期と比較すると、求人数は甘く見積もっても、3分の1程度に減っています。長く続いた転職バブルも崩壊し、確実に売り手市場から買い手市場に変わりました。

しかし、こんな状況の中でも求人はありますし、実際に転職している求職者もいます。どのような状況下でも、優秀な人材に対する需要はあります。昨年までの売り手市場では、良い人材の確保が難しいと感じていた企業も、現状をチャンスと捉え、積極的に採用活動を行っています。募集件数こそ減少していますが、今でも企業が人を採用しているというのは事実です。

求職者の属性にも変化があります。昨年までは、求職者側の転職意欲が高く、それがゆえに過度な競争も起こっていました。私たち人材紹介会社のような仕事を斡旋する側にも責任はあると思いますが、様々なメディアなどでも転職を推奨しており、ある意味、「転職をしないと損をするのではないか」という意識を持った転職希望者が多くいました。

キャラ画像01 キャラ画像04ですが、現在の転職市場では、必要最低限の人たちしか活動をしていません。在職者は転職という行為に対して、非常に慎重になっています。そのように考えれば、現状のマーケットはライバルが減るなどの面からMSさんにとっては悪くないと思います。

最後にひとつ、MSさんに対する質問です。あなたにとっての「良い会社」とは、どのような会社ですか? 大手企業ですか? 有名企業ですか? 年収が高い企業ですか? 私もMSさん同様、就職氷河期に就職活動をした世代です。状況さえ良ければ、もっと有意義な就職活動ができたのではないかと考えた時期もありました。しかし、社会人として経験を積むにしたがい、会社という枠にとらわれなくなりました。

キャリアコンサルタントとしてアドバイスをすれば、転職という行為を目的とした転職活動はしないほうがいいでしょう。転職する際には、明確な目的が必要です。自分自身のやりたいことを明確にし、その目標を達成するために転職することをお勧めします。あなたの思っているもっと「良い会社」に入る目的、また入社後にやってみたいことを明確にしてください。もしそのような目標があり、それに対して前向きに取り組むことができるのであれば、この市況下でも、有意義な転職活動ができるのではないでしょうか。逆に、明確な目的が見つからないのであれば、現職にとどまるというのも一つの選択肢です。


新入社員の教育担当者になったが、教育・指導に大変苦労しています。どうしたらいいでしょうか?

キャラ画像014月で入社4年目となり、新入社員の教育を任されました。しかし、担当している新人(A君)との相性が悪く、非常に苦労しています。私自身も入社当初は、先輩に迷惑をかけたことはありますが、A君の自分勝手な行動は、限度を超えていると思います。

先日もこんな事がありました。得意先B社から注文をいただいた際、A君が対応しました。先方は、できるだけ早く製品が必要とのことで、「通常の納期よりも早く製品を受け取ることができないか」と打診されました。A君は先方のニーズに対応するために、本来C社に納品する予定の製品を、B社に発送してしまいました。C社を担当する先輩社員からの指摘で発覚し、何とかC社への納期変更で事態を収拾することができましたが、A君自身は、事の重大さに気付いていません。

彼がトラブルを起こすたびに、私も連帯責任という形で上司に叱責されることも多々あります。営業先のお客様とのトラブルも度々あり、非常に困っています。今後、どのような対応していけばいいでしょうか?

新人の教育は、自分の成長にもつながります。教育・指導するときは感情的にならず、ロジカルに話をすることが大切です。

キャラ画像02会社が、先輩社員を新入社員の教育係にする理由は2つあります。1つ目は、新入社員が早く一人前になれるように教育することが目的です。もう1つは、教育係を担当する先輩社員自身の成長を促すことを目的としています。ミサさんも実感されていることだと思いますが、他人に何かを理解してもらったり、行動に移してもらったり働きかけることは、とても大変です。A君に仕事をやらせるよりも、自分でやったほうがどれだけ楽だろうと考えたこともありますよね。

ミサさんは今まで一人の社員として、自分自身の行動だけを管理すればよい立場にあったと思います。自分に与えられた仕事を完璧にこなすことが、ミサさんにとってのミッションでした。しかし、会社という組織に属する者は、経験を積むごとに、自分以外の人たちのマネジメントをしていかなければいけません。今はA君一人の教育係だとしても、課長になれば課員全員の、部長になれば部員全員の、社長になれば社員全員の管理、教育をしていく必要があります。ミサさんの年齢で、今回のような経験を積めることはラッキーです。

キャラ画像03 まず、A君のトラブルの根源がどこにあり、それが克服可能なのかを見極めてください。もし仮に、A君が仕事に対する素質や能力がないのだとしたら、それはミサさんの責任ではありません。A君の能力を理解して、その上で管理するようにしてください。一方で、A君の能力では、遂行不可能な業務をやらせているのではあれば、それはミサさんの責任になります。

キャラ画像04人を教育するときや管理するときは、感情的になるのは避けてください。ミサさんはA君に対して、感情的になっていることはありませんか? 私もミサさん同様、自分と相性の悪い部下を持ったことがあります。何度教えても理解してくれない部下に対して、苛立つときもありました。しかし、その場の感情で話をしても、良い結果には結びつきません。その場は我慢し、できるだけロジカルに話をするように努めることが大切です。

今は大変だと思いますが、非常に有意義な経験をしているはずです。上司もミサさんに期待しているからこそ、A君の教育係に抜擢したのでしょう。今回のミッションを自分自身のためでもあると前向きに捉えて、この壁を乗り越えることで、ミサさんも大きく成長できると思います。