ビジネスパーソンのキャリアアップ・転職について考えるニュース・コラムサイト

AIとの勝負で身に付く「先読み脳」

将棋・囲碁で鍛える常識にとらわれない先読みのスキル<後編>

将棋・囲碁で鍛える常識にとらわれない先読みのスキル<後編>

前編では、人工知能(AI)がプロ棋士に勝つほど発達し、AIならではの打ち方が将棋界に衝撃を与えている状況について触れました。藤井聡太四段はAIを相手にトレーニングを積んだ、新世代の棋士ともいえるでしょう。
では、囲碁はどうなのでしょうか。囲碁は将棋よりも盤面は広く、王将を取れば勝負が決まる将棋と違い、白と黒の石を使った場所取り合戦です。定石や打ち方などは研究されていますが、戦略の自由度が高いことから、人間を負かすAIは将棋よりも遅れての登場となりました。
人間の脳で先を読むとしても、まず盤面の広さが計算をより難しくします。相手がどこで攻防を繰り広げているか、戦っているエリアから離れて別の場所に石を置くべきか否かなど、戦略的な判断は対戦を見ているだけではなかなかわかりません。
先読みするには、まず囲碁の基本をしっかりマスターしたうえで対戦を重ねることが必要でしょう。また「地政学」を学んでいるビジネスパーソンにとって、囲碁はその理解を深める戦略ゲームでもあります。ぜひ、この機会にマスターしてみてはいかがでしょうか。初心者から学べるスマホアプリも充実していますので、併せて紹介します。

AIも伸び悩むほど自由に満ちている

囲碁はいかにして自分の陣地を広げていき、相手の陣地を狭めていくかを争うゲームです。序盤は陣地の骨格を作るための基礎を築き(布石)、中盤は生きている布石を元に陣地を広げ、激しく石を取り合い(戦い)、最後は陣地の境界線を確定させる(ヨセ)など、場面ごとで戦いの目的が変わってきます。 相手の陣地を広げないようにするだけでなく、離れた陣との連携を断つなど、将棋と同じく戦略が生命線となります。次に相手がどう打ってくるか、自分がどう指せば有利に勝負を進められるか、相手の思考の読み合いが重要になります。

囲碁のコンピューターソフトにも将棋と同じようにAIが導入されました。2000年代になって「モンテカルロ法」という乱数アルゴリズムによる計算方法が編み出され、ようやく囲碁ソフトのAIも強さが増しました。そして2016年、米グーグルのグループ企業、英ディープマインドが開発したAI「AlphaGo(アルファ碁)」がプロ棋士に勝ち始めました。 しかし全体的には、まだまだこれからという段階。将棋よりも盤が広い囲碁では、まだ試行錯誤を繰り返しているのが実状で、計算力の高いAIでも先を読み尽くすことが難しかったのです。これから先、囲碁AIがどうなっていくか、要注目といえるでしょう。

囲碁は地政学を学ぶのに役立つ戦略ゲーム

情報感度が高いビジネスパーソンは、「地政学」を密かに学ばれている方も多いのではないかと思います。地政学とは国家学をより広い視点から見て考察する学問で、地勢や民族、政治など数々の要素を考慮して、それぞれの国家がどうなっていくかを分析します。
先を読む力を補強するうえでも、地政学を学んでおいて損はありません。地政学は一種の戦略学ですが、囲碁は広い盤面で陣地取りを展開するゲームです。盤面で相手の勢力が拡大するのを遮断し、なおかつ相手の策略を見越して先に動きを封じるなど、知能をフル回転させた攻防が行われます。
これは戦略の先読み脳を鍛え、本で読むとわかりにくい地政学を理解しやすくなるのではないでしょうか。盤面で何も置かれていない場所を海や平原に見立てたり、連絡を遮る石が連なる場所は補給路として不向きな山脈や砂漠などに置き換えたりして見ることができます。
地政学の原点に近い古典ほど哲学的であり、読破と理解に苦労しがちなのですが、囲碁を知ることで、それも変わるかもしれません。

プロを負かしたAIとスマホで対戦

囲碁は白と黒の石しかなく、将棋のように駒によって役割や動きが決まっていません。そのため何も知らずに対戦を見ていると、どっちかが多くの場所を取るゲームなのかという感想を抱きがちですが、それはそれで合っています。
そんな初心者の方は、基本の石の置き方とルールを学べる囲碁アプリ「囲碁アイランド1」がお勧めです。無料で公開されているので、まずはここから始めてみるといいでしょう。

日本棋院も囲碁アプリ「幽玄の間」を公開していて、プロ棋士の対戦も観戦できるほか、自分でも打つことができます。この囲碁アプリには今年6月、プロを負かしたAI「DeepZenGO」が期間限定で登場。プロが対戦したあとに一般にも解放されるなど、公式ならではのサプライズもありました。

将棋・囲碁はそれ自体が奥深いゲームですから、上達するほど面白みが増していくはずです。そして、AIが見つけた新しい指し方・打ち方を意識することで、AI普及時代にふさわしい「先読み脳」をより鍛えていけるのではないでしょうか。

アプリ紹介 ~囲碁編~

囲碁アイランド1プレイ画面

囲碁アイランド1(1は無料)

作者:日本棋院

囲碁のルール・基本技術が学べるアプリ。囲碁を全く知らない人も初歩からアニメーションでわかりやすく覚えられる

Google Play App Store
幽玄の間プレイ画面

幽玄の間

作者:日本棋院

日本棋院が運営するネット囲碁専用アプリ。対局や観戦、また七大タイトル戦をプロ棋士の解説とともに観戦できる

Google Play App Store