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40overからのキャリア道

第3回 女性が管理職として輝ける条件

第3回 女性が管理職として輝ける条件

 かつて日本の転職市場では「35歳転職限界説」がささやかれていましたが、30代後半、40代の経験豊富なミドル層への期待は中小企業やベンチャー企業を中心に近年高まっています。可能性が広がってきたミドル層のキャリア形成について持つべき心得とは。
 第三回は「女性が管理職として輝ける条件」について、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社 ライフサイエンス部門 チームマネージャーの浜内美帆氏に聞きました。

第三回  浜内美帆 氏

ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社
ライフサイエンス部門 チームマネージャー

profile

日系企業を経てヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社に入社。コンサルタントとして活躍。現在はライフサイエンスと人事分野担当のチームマネージャーとして、2人の女性メンバーを率いる。


適材適所を突き詰めれば女性の活躍の場は広がっていく

 女性が輝き続ける社会の実現は、世界中で進んでいます。日本でも2016年4月に女性活躍推進法が施行され、働く女性の後押しをしようという機運が高まってきました。政府目標としては「202030」という合言葉のもと、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30パーセントにするという数値が掲げられています。

 もちろん企業においても、女性の活躍に対する期待が高まっています。これまでは男性が中心となるポジションを占めていましたが、そのなかには女性が能力を発揮しやすいポジションもあるはずです。適材適所を突き詰めていけば、自ずと女性の活躍の場は広がっていくものと考えます。

 とはいえ、企業によって女性登用の取り組み具合はさまざまです。外資系の企業には、女性管理職比率をKPI(重要業績評価指標)として設定し、具体的な取り組みを始めているところも多く見られます。一方の日本企業は、業種や業界にもよりますが、まだまだ本格的な取り組みに至っていないところが多い印象です。

 ちなみに、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンにおけるマネージャーの女性比率は59%です。クリアな評価制度のもと、能力のある人材を性別問わずに登用していった結果です。

世界25ヵ国の意識調査結果からわかる女性ロールモデルの重要性

 働く女性の意識はどうなっているのでしょうか? 私はさまざまな女性の転職のご相談に乗ってきましたが、上を目指していきたいと話す女性は、そこまで多くはない印象があります。女性は地位や権力よりも、同一労働、同一賃金ややりがいを重視する傾向にあり、男性に比べて野心が強くないのかもしれません。そのため企業側としても、上を目指したくない人を無理やり管理職に持っていくわけにもいかず、仕事と人材のマッチングに苦戦しています。

 実際に私も、初めてマネージャーを打診されたときは「興味がないわけではないけれど、私にできるかな?」といった感覚でした。でも、マネージャーになってみて、初めて知った喜びがあります。それは、頑張っている女性に対して正当な評価をしてあげられるという喜びです。決して女性をひいきするわけではありませんが、男性の上司とは違う視点で気付いてあげられると考えています。

 ヘイズが行っている「女性活躍推進に関する世界25ヵ国、11,500人を対象にした意識調査」においても、直属の上司が女性の場合、女性の意識にポジティブな影響があるという結果が出ています。各調査項目において直属の上司の性別が回答にどのように影響しているかを見てみると、「性別に関係なく同一の機会が与えられていると思う」という答えに「はい」と回答した女性の割合が、直属の上司が女性の場合と男性の場合では、回答に大きな差が生じています(グラフ参照)。直属の上司が女性の場合、女性の意識が大幅に改善されているという結果が出ていることから、女性管理職の数を増やすことは、女性の機会向上にプラスの影響となります。

※出典:2016年版 ヘイズ 女性活躍推進に関する世界25カ国意識調査

必要なのは、英語力の底上げと30代でのリーダー経験

 では、積極的に上を目指していきたい女性は、何に気をつければいいでしょうか? 私からのアドバイスとしては、自分のキャリアプランを描いておくこと、英語力を底上げすることの2つがあります。

 キャリアプランに関しては、30代でリーダー経験を積み、40代でマネージャーレベルを経験しておくことが肝心です。その際に参考にしたいのが、ロールモデルとなる女性のキャリアです。社内にいなければ社外に求めるのもいいでしょう。私の場合、社内はもちろん、友人にも、転職の相談にいらっしゃった候補者にも素晴らしいロールモデルがいらっしゃいます。新聞や雑誌から気になる女性の記事を探してみるのも1つの方法だと思います。

 英語力に関しては、外資系企業の管理職は英語が必須の会議に参加する必要もあるほか、レポートラインが外国人の場合もあるため、必須です。日本企業であってもグローバル化は避けて通れませんので、語学スキルを上げていったほうがチャンスを手にしやすいといえるでしょう。

管理職として輝ける場を見極める2つの方法

 もしも今の社内では望むキャリアプランを達成できないと思ったら、転職を考えるのも1つの方法です。冒頭に述べた通り、今は女性管理職比率を高めたいという企業が多いため、部下が1人であっても2人であっても、リーダー経験やマネジメント経験がある人が必要とされています。マネジメント経験が豊富であるほど、40代はもちろん、50歳ぐらいまで需要があります。

 転職する際に気にしてほしいのは、女性管理職がすでに活躍しているか、評価制度がクリアかどうかの2点です。

 女性管理職の人数や比率は、普通は人事の担当者が教えてくれます。また、直属の上司がどんな人なのか、評価制度はどういったものかも聞けば教えてくれるかもしれませんが、私たちのようなエージェントを使っていただければ、より聞きやすいかと思います。

 評価制度を気にする人は男性に多いのですが、私はむしろ女性が気にするべきだと考えています。成果主義というと厳しそうに感じるかもしれませんが、評価制度がオープンで平等な会社は女性に優しい企業であるといえるでしょう。グローバルな組織では管理職につける機会が多くなっているので、ぜひ自分を過少評価せずにキャリアパスの開拓を諦めないでほしいと思います。