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40overからのキャリア道

第2回 グローバルな場で活躍できる人材の条件

第2回 グローバルな場で活躍できる人材の条件

 かつて日本の転職市場では「35歳転職限界説」がささやかれていましたが、30代後半、40代の経験豊富なミドル層への期待は中小企業やベンチャー企業を中心に近年高まっています。可能性が広がってきたミドル層のキャリア形成について持つべき心得とは。
 第二回は「グローバルな場で活躍できる人材の条件」について、プロビティ・グローバルサーチ株式会社 代表取締役の高藤悠子氏に聞きました。

第二回  高藤悠子 氏

プロビティ・グローバルサーチ株式会社 代表取締役

profile

メーカーでの海外営業職を経て、幹部候補人材に特化した人材紹介会社勤務。その後タイに8年間在住し、日系人材紹介会社のタイ法人にて執行役員として勤務。2012年に帰国して独立。海外展開を強化する企業への【グローバル×経営人材】(日本人・外国人)のサーチや紹介業務に特化。若手ハイポテンシャル人材から年収数千万円、数億円クラスのエグゼクティブ人材の紹介実績を持つ。


この会社のあの部署も? グローバル人材は引く手あまた

 グローバル人材とはそもそもどんな人材のことを指すのでしょうか? いろいろな定義がありますが、一言で言うと、当社では海外とのビジネスに対応できる人を指します。スキルとしては語学力が必須とされていますが、極論を言えば、本人は話せなくても、通訳をうまく使って難易度の高いプロジェクトを成功に導くことができる人もいらっしゃいます。あとで詳しくお話しますが、グローバル人材に求められるソフトスキルとは、違うカルチャーを受け入れることができる柔軟性、および、何が起こっても動じない胆力という、相反する二面性だといえるでしょう。

 最近の人材に対するニーズとしては、一見すると極めてドメスティックな企業でも、グローバル人材が求められています。それも、事業企画や国際営業といった部署のみならず、人事や経理といった部署においてもグローバル人材の確保に取り組んでいます。海外売上比率の増加やインバウンド対応に当たるべく、全社を挙げてグローバル化を推進している企業が増えていることが分かります。
 また、経営統合(PMI:Post Merger Integration)に対応できる人材のニーズも増えています。海外の企業を買収した、あるいは海外に買収されたが経営が統合できておらずシナジー効果が生まれていないという組織に対し、カルチャーの違いを超えてまとめ上げていくという役割が求められています。

数度の修羅場を乗り越えているか?

 こうした企業のニーズに対し、チャレンジしてみたいという方はたくさんいらっしゃいます。ただし、企業が求めるスキルは、かなりハードルが高いと言って差し支えありません。40歳前後のエグゼクティブ候補として採用されるのであれば、海外で修羅場を2~3回経験したぐらいの人でないと評価されないのが現実です。

 実際に私の知り合いにも、20代前半である国に駐在し、競合会社による嫌がらせや政府による不当と思われる規制などを乗り越えて現地法人を立ち上げ、軌道に乗せてきたという人がいます。まだ若いのですが、その人の発言は重みが違います。そんなタフな経験をしてきた人を、企業は役員候補、さらには将来の社長候補として迎え入れたいと考えているのです。

自分の軸をしっかり持つことの重要性

 もし若いビジネスマンの方で将来的に海外でも通用する人材になりたいということでしたら、なるべく若いうちに海外と深く関わり、修羅場を乗り越える経験をしておくことです。冒頭でもお話したように、日本の価値観が全く通じないところで、時に相手のカルチャーを受け入れながら、自らの胆力が問われるようなタフな経験を重ねる。それは必ず、あなたにとっての強みとなるはずです。
 また、ローコンテクストなコミュニケーションに慣れておくことも大切です。ローコンテクストというのは、具体的な言葉に重きを置くこと。例えば、「○○をなるべく早くやっておいて」と「あうんの呼吸」を前提に伝えるのがハイコンテクストな指示の仕方だとしたら、「○○の資料の○ページから○ページまでを読んで、明日の会議用にA4の紙1枚にまとめてください。○時までにお願いします」と指示するのがローコンテクストなコミュニケーションです。

 グローバルな場では多くの常識や価値観が共存し、それを皆が正しいと信じて疑いません。そんななか、戦略に照らし合わせて、今取るべき策はこれだと自ら意思決定することができる。そしてその内容を、具体的に誤解なく指示できる。そういった自分の軸をしっかりと持っている人は、国内、海外関係なく年齢を経ても活躍することができると思います。

グローバルな場で活躍するために大切な3つのこと

 海外に出るチャンスは少ないけれど、グローバルなビジネスに携わってみたいという人は、海外と接触する社内部署のお手伝いから始めてみてはいかがでしょうか?
 または、プロボノ(社会貢献活動)を求めているNGOはたくさんあります。週末などを費やし、専門スキルを生かしたグローバルな取り組みに参加することで、独自の人脈をつくっていくことも可能でしょう。

 また、グローバルな企業に転職をしたいということでしたら、転職サイトや人材紹介会社に登録してみることをおすすめします。自分では想像もしていなかった業界・企業から声がかかることがあるかもしれません。

 そして最後に、グローバルな場でストレスなく活躍するには、異文化衝突のエピソードを知り、自分の感情や言動の傾向を自覚することも大切です。例えば同じ外資といっても、アメリカとヨーロッパとではカルチャーが違いますし、同じヨーロッパであっても北欧と西欧で違いもあります。自分はどの国で力が発揮しやすい傾向にあるのか、「異文化理解力」を理解するための書籍等があるので、参考に国や地域に関する情報を知っておくとビジネスの場でも役に立つでしょう。