ビジネスパーソンのキャリアアップ・転職について考えるニュース・コラムサイト

40overからのキャリア道

第1回 40代の転職市場のリアル

第1回 40代の転職市場のリアル

 かつて日本の転職市場では「35歳転職限界説」がささやかれていましたが、30代後半、40代の経験豊富なミドル層への期待は中小企業やベンチャー企業を中心に近年高まっています。可能性が広がってきたミドル層のキャリア形成について持つべき心得とは。
 第一回は「40代の転職市場のリアル」について、キャリアアドバイザーの高野秀敏氏に聞きました。

第一回  キャリアアドバイザー 高野秀敏 氏

株式会社キープレイヤーズ メドレー社外取締役

profile

大学卒業後、インテリジェンスに入社。05年にベンチャー企業やIT企業を中心に人材をあっせんするキープレイヤーズを設立。20社以上の社外役員、アドバイザー、エンジェル投資を国内外で実行。クラウドワークス元取締役。


エンジニアには明るい40overの転職市場

 40代の転職が増えているか否か? 二択のどちらかを選ばなければならないとしたら、私は「増えている」を選びます。
 ただし、転職できる40代には条件があります。スペシャリストであること、もしくはCxO的なキャリアを持つ人であることのいずれかです。

 スペシャリスト、とりわけシステム開発に携わってきたエンジニアに関しては、たくさんの求人があります。なかでもハードウエアのエンジニアは、40代であっても良い転職が可能です。さすがに48歳、49歳ともなると企業側も躊躇するかもしれませんが、一昔前に言われていた「35歳転職限界説」は、エンジニアに限って言えば無くなったと言っても差支えないでしょう。

 CxO的キャリアの持ち主には、経理・財務やテクノロジー、法務、PRなどのスペシャリストであり、かつマネジメント経験がある人を指します。企業側は、ひとつの部署を統括できる人、あるいは、自社の取締役か、その候補となりうる人を求めています。

求められているのはトップ層の即戦力

 この2つの条件からも分かると思いますが、誤解していただきたくないのは、40overの転職が簡単になったわけではないということです。ありのままを伝えれば、企業側はピラミッドのトップ層を求めており、その他の層を必要としているわけではありません。

 現在、東証に上場している企業は約3500社あります。この3500社のなかには、社員数数万人規模の企業もあれば、マザーズに上場したてのベンチャーも含まれます。そこに役員が5人ずついたら、それだけで1万7500人の市場です。その直下の役員候補までを入れたら、10倍の17万5000人。このなかで起こっているポジションの異動が、40代の転職の実像なのです。

 企業側は各ポジションに対する条件を明確に定めており、その条件を満たす人材であれば、30代だろうと40代であろうと問いません。採用されるのは即戦力であり、これまで培ってきた知見を自社に移植してほしいというのが、企業側の本音なのです。

40代でも再チャレンジしやすい時代に

 以上のようなことから、40代でも転職できるような人材でいるためには、それぞれのレイヤーのトップ層に居続けるよう努力することです。面接時には、あなたが積み重ねてきた成功体験を掘り下げられます。皆が認めるような成功体験があれば、それだけで評価の対象になるはずです。

 また、成功を積み重ねていたとしても、社内の派閥抗争に負けて突然、亜流になってしまったという人もいるでしょう。そういった人でも転職市場では高い評価を得られるはずです。

 先に述べたように、今はエンジニアを中心に求人が増えており、40代の転職も珍しくなくなりました。転職をして新しい会社の幹部になり、やがて社長になったという人も少なくありません。今の会社では先が見えてしまっていると気付いたのなら、チャレンジのしがいがあるはずです。

企業との面談で自分の市場価値を知る

 自分はどの程度の評価がされているのか見当がつかないという人は、まずは転職サイトに登録してみたらよいかと思います。ニーズがマッチする人であれば、企業からスカウトメールが来るはずです。これまで35歳を上限としてスカウトメールを送っていた企業も、もしかしたら40代まで候補に入れているかもしれません。

 同時に、SNS対策も万全にしておきましょう。SNS自体をNGとされている金融業界以外のビジネスパーソンではFacebookは特に仕事に利用している人が大半です。企業の人事は、必ずFacebookをチェックしていますので写真などを見直した方が良いケースもあります。また、外資系企業を目指したい人は、LinkedInに情報を登録しておくと声がかかる可能性があります。こうして声がかかった企業と面談をしてみることで、自分の市場価値や企業側が求めている知見が見えてくるはずです。

 いずれにせよ、転職活動に欠かせないのが、自らの実績を記したレジュメです。面倒とはいえ、週末の1時間を費やせば十分なものを書くことができます。レジュメのポイントは、情報をたくさん入れること。情報量が少なすぎると、企業側も判断できません。今度の週末は、レジュメの準備をしてみてはいかがでしょうか?