日経キャリアNETでは、IT人材の採用動向に詳しいマンパワー・ジャパンのIT人材紹介部主任の細梅宣慶さんにITエンジニアの採用マーケットとキャリアを切り開くための戦略の立て方を聞いた。
マンパワー・ジャパンの細梅宣慶さんは「IT業界で積極的に採用しているのは、SNSやゲームなどを提供しているネット企業です。SIerは、2010年の夏ぐらいから大手をはじめとする一次請けクラスの企業が動き始めました。二次請けクラスの企業は、まだまだのようです」と語る。採用ニーズは限定的で、若手のオープン・Web系のエンジニアに偏っていて、ベテランへの引き合いは弱いままだ。
ベテランが転職するには、技術力以外に強みが必要だという。たとえば、語学力が高く、日本企業の海外拠点のITインフラを立ち上げた経験や、幅広く強い人的ネットワークを活用して取引先の開拓ができるといった具体的なものだ。人によっては、営業センス・経験を掛け合わせて、ITコンサルタントにも転身できる。ただ、年齢が上がれば、高い営業力とチーム全体で目標を達成するためのマネジメント力の両面が求められるだけにハードルは高い。
自らもITエンジニアだった細梅さんは、今の技術者はキャリア形成を急ぎすぎているのではないかと警鐘を鳴らす。「20歳代は技術力を磨く時期です。プロマネや上流を目指すよりも、技術を徹底的に極めてほしいですね。30歳代はマネジメントを学んでリーダーやプロマネとしてチームをまとめるとともに、顧客とのコミュニケーションを図って『個人』の信用を作る時期です。それが、その先の可能性を広げることにつながるのです」と道筋を説明する。
細梅さんは「転職は、このままでは望むキャリアパスを歩むことができない、という時に考える最後の手段です。二次請けの会社にもリーダー的なポジションはあります。まずはそこを目指して精一杯努力したのでしょうか。些細なことで転職していたのでは、キャリア形成はできません。一方で、今以上に技術力を高められるような仕事ができないのであれば、見切りを付け『強み』とする分野をさらに強くできる環境を探せばいいのです」と若手にアドバイスしてくれた。技術者として輝き続けるためには、不断の努力が欠かせないことは言うまでもない。