豊富な専門知識と接客サービスに重点を置いた「専門店型ドラッグストア」を展開しているセイジョー。2008年に同社に転職した田名部平氏は、異例のスピードで店長となり、幹部候補生として将来を嘱望されている若手社員の一人だ。
幼い頃から飲食業界に興味があり、専門学校卒業後は中華料理のシェフを目指して大手ホテルに入社した。ところが、厨房に入る前に1年間研修として体験したホールの仕事が思いのほか楽しく、「そのままサービスの担当として働かせてもらうことになりました」と振り返った。
ホール全体を把握しながら、お客様に最適なサービスを提供することに何よりも充実感を感じていた田名部氏は、「先輩達の動きを盗みながら、自分の接客に反映させていました」と語る。その丁寧な仕事ぶりに、早い段階から後輩の指導も任せられるようになった。
「仕事の領域が広がるのはうれしかったのですが、いつまでも給与や肩書きが変わらないことに焦りを感じるようになりました」と6年目の春に転職を決意した。ホテル業界は年功序列が未だに根強く、昇進は上司の権限が強く、次のポストへ進めなかった。
次の職場では自らの接客スタイルがどこまで通用するか試してみたかった。「サービス・接客を条件に、転職情報サイトに登録しました。経験やキャリアを正当に評価してくれる会社かどうかを軸に絞り込んでいきましたね」と公平な人物評価にこだわった。
景気に左右されず、
長く働けそうな風土に魅力を感じる

地域性、季節性、流行など様々な方向にアンテナを立て、得た情報を接客に役立てている。ホテル仕込みの行き届いた温かい接客は、顧客からも高い評価を得ている。
三ツ星を取った有名レストランからも引き合いがあったが、最終的に受けようと思ったのはセイジョーだった。「薬や健康関連の商品はどんな時代でもニーズがありますし、会社としての歴史が長く、経営基盤が安定していたのも信頼ができました」
研修制度が手厚く、チャレンジ精神のある人材が求められている点も自分に合うと感じた。「面接では、ホテル業界で学んだ接客スキルを生かしていきたいこと、まずは登録販売者の資格を取得して知識を深めていき、ゆくゆくは経営にかかわりたいことを伝えました」
2008年10月に転職してからは、店舗で働きながら薬や健康食品について猛勉強する日々が続いた。「セイジョーではe-ラーニングで医薬品の知識や季節によって好まれる雑貨類の情報を得ることができ、研修も多くあったのでフルに活用し、自宅学習に励みました」
自宅から遠い店舗に配属されたときも、通勤時間を利用して勉強した。面接での宣言通り登録販売者の資格も取得し、2010年3月には社内昇格試験に合格。中途の同期の中では最速で店長に昇進。「早い人は1年でなれると聞いていたので、それを目標にしていました」
まったくの異業種への転職の上、店舗をまとめる店長。最初は戸惑うことも多かったが、「責任が多い分、自分の判断で決められることが多いのが嬉しいですね。会社の一部を担当しているのではなく、自分がここの経営者であるという意識を持って仕事しています」と管理職の自覚を持つ。
現在は1日の半分はレジに立ちながら売り上げの管理や分析、経営指標作り、販売・販促計画の立案、スタッフマネジメント、地域イベントの運営など多くのことに関わる。「オフィス街でOLの方の来店が多いので、日々のトレンドウオッチングは欠かせません」
今は接客スキルをさらに上げつつ、スタッフマネジメントの手腕を磨きたいという田名部氏。「30歳までにエリアマネージャーになり、その後は本部で社員教育や組織作り、商品開発にもかかわりたいですね。経営に加わるという目標もあるのでまだまだ勉強が必要です」
最後に、転職を志す読者にアドバイスをもらった。「どうせ働くのなら、自分の立てたキャリアプランを実現でき、給与や待遇で正当に評価される場所にいる方が、やりがいがあると思います。何歳でどんな仕事をしていたいのか、常にイメージすることが大事だと思います」
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